ご自宅で測定する血圧(家庭血圧)の重要性について

高血圧症の診療の目的は、『ただ単に血圧が高いから下げる』ことが目的ではなく、『血圧が高い』ために危惧される心臓脳血管疾患の発症予防が最大の目的であります。

現在、高血圧症の診療指針 (ガイドライン)では、高血圧の基準値を、① 診察室血圧値、② 家庭血圧値、③ 24時間自由行動下血圧値の3種類の血圧値を用いて診断しています (表. 1)。

現在の高血圧診療は家庭血圧値が重要とされており、診察室血圧値と家庭血圧値に差がある場合には家庭血圧値を優先するよう提唱されています。また、治療効果判定においても家庭血圧値が診察室血圧値よりも適しているといわれています。このような見解から、現在の高血圧診療において家庭血圧測定は必須であります。

当院でも家庭血圧測定を推奨させて頂き、正確な家庭血圧測定の注意点についてご案内させて頂きます。尚、高血圧症の管理目標値は併存疾患により異なりますので (表. 2)、高血圧基準値とあわせてご参照ください。

◆家庭血圧測定の方法と注意点◆
1)測定部位: 測定機器が心臓の高さで上腕 (肘)での血圧測定。
2)測定環境: 静かで適温。背もたれのある椅子に座り1〜2分の安静後に測定。
※測定前に喫煙、飲酒、カフェインの摂取はおやめください。無題
3)測定条件
・朝
①起床後1時間以内 ②朝食前 ③座位1〜2分安静後 ④朝の内服前
※上記のいずれかの条件を一つを満たしていれば問題ありません。
・晩 (就寝前)
座位1〜2分安静後
4)測定回数: 1機会に原則2回測定し、その平均をとってください。
※1機会に1回のみの測定の場合、この1回をその機会の血圧値としてください。

表. 1

高血圧基準値(mmHg)
診察室血圧値 140/90
家庭血圧値 135/85
24時間自由行動下血圧値 130/80

表. 2

診察室血圧値(mmHg) 家庭血圧値(mmHg)
若年、中年、前期高齢者 140/90未満 135/85未満
後期高齢者 150/90未満 145/85未満
糖尿病 130/80未満 125/75未満
慢性腎臓病(蛋白尿陽性) 130/80未満 125/75未満
脳血管障害/冠動脈疾患 140/90未満 135/85未満

※参考書籍: 高血圧治療ガイドライン2014, 日本高血圧学会発行.